ルメール人気ならぬ「飛田人気」!? 佐賀で話題のスーパーゴールデンルーキー・飛田愛斗騎手

ルメール人気ならぬ「飛田人気」!? 佐賀で話題のスーパーゴールデンルーキー・飛田愛斗騎手

【大恵陽子=コラム『ちょっと馬ニアックな世界』】

夏の佐賀で若い力が爆発しました。

若手騎手たちによる戦い・ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)が7月20日のトライアルラウンド(TR)佐賀から開幕。11月24日TR浦和まで予選が続き、上位の得点を得た4競走分の合計得点によりファイナルラウンド出場者が決まるのですが、開幕ラウンド2戦を制したのは西谷凜騎手(JRA)と飛田愛斗騎手(佐賀)のデビュー1年目のジョッキーたちでした。

まだまだ馴染みの薄いデビュー間もないジョッキーたちですが、レース前後の行動に彼らの個性が表れていました。若手ジョッキーたちの「ちょっと馬ニアックな世界」を覗いてみましょう。 ◆今年が最初で最後となったYJS  いま、佐賀競馬に「スーパーゴールデンルーキー」と称される新人ジョッキーがいます。

飛田愛斗騎手、18歳。

昨年10月にデビューし、初勝利こそデビューから35戦目と今にして思えばやや時間がかかりましたが、そこからみるみるうちに勝ち星を量産。重賞も、たんぽぽ賞をイロエンピツ(JRA)で制覇したのを皮切りに、ドラゴンゲートとのコンビでは重賞2勝を挙げると、6月27日、史上最速で通算100勝を達成しました。

これまでの最速記録は地方・金沢競馬所属の吉原寛人騎手で、デビューから275日。「天才」と称される御神本訓史騎手(大井、デビュー時は益田※廃止)でも358日、安藤勝己騎手(当時笠松)も480日を要した中での記録更新でした。

今年で5年目を迎えるYJSは、ひと言で言うと減量騎手による戦い。デビュー5年未満で通算100勝以下のジョッキーたちが、技術や経験を積みながらステップアップを目指すシリーズです。

飛田騎手の場合は、今年がYJS初出場なのですが、すでに105勝を挙げているため来年は出場資格がなく、今年が最初で最後のYJS。

そうした中、迎えたTR佐賀第1戦では先行馬に騎乗しながらも、逃げ争いが激しくなるのを見て冷静に控え、早め先頭からの勝利。

スーパーゴールデンルーキーの愛称そのままに、冷静なレース運びでした。

なぜ、デビュー1年目の新人ジョッキーが落ち着いた騎乗をできるのかには、デビュー間もない頃の師匠からの教えがありました。

以前コラムでもお伝えしたのですが、所属厩舎の三小田幸人調教師が「早く勝つことよりも、なんで負けたのかレース内容をしっかりと振り返ることが大切」との教えがあったからでした。

さらに、ホッカイドウ競馬から期間限定騎乗でやってきていた石川倭騎手の影響も受けるなどし、中身が伴いながらの史上最速100勝だったのです。

YJS勝利後には共同インタビューが実施されました。

まだあどけなさが残るものの、受け答えはシンプルにキリッとしたもの。テコンドーを習っていたことからくる凛々しさかもしれません。

TR佐賀第2戦は1番人気に支持されながらも最下位の12着でしたが、おそらくこれは「飛田人気」による1番人気。地元のカメラマンも「飛田騎手が乗ると人気するんですよねぇ」と。

JRAでは「武豊人気」や「ルメール人気」というような、馬の実績以上に人気を背負うことがありますが、佐賀では早くもデビュー1年目のジョッキーが騎手人気をしているようです。

(文=大恵陽子)

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